天然素材を用いた寝具に関するご注意

2020年09月
私たちの暮らす環境において、今年は例年に比べて高温多湿になる日が多いようです。

寝具に多く使われている天然素材は、一般的には湿度が高い状態が続くと様々な不具合(臭い、カビの発生など)を起こしてしまう可能性があります。毎日、気持ちよくお使いいただくためにも、素材それぞれの特徴をご理解いただき、お取り扱いいただくことをおすすめします。
 
【羽毛(ダウン)素材】
水鳥から採取される羽毛は、たくさんの空気を含むことで軽く、保温性に優れているため、あたたかさが求められる掛けふとんに適した素材です。
しかし、天然素材のため特有の臭いが多少残ることがあります。湿度の高い時期には臭いが強調されることもありますが、干したり、ご使用いただくうちに徐々にやわらいできます。
また、湿気を含んだ羽毛はダニやカビの増殖を招いてしまうこともあります。それを防ぐためにも羽毛製品はときどき天日干しを行い、湿気の少ない場所で保管してください。
※羽毛ふとんを干すときには、カバーを掛けたまま干してください。
 
【羊毛(ウール)素材】
ウールは、羊の体毛を洗浄したものをワタや繊維に加工して使用されています。
ウールは保温性や弾力性、吸放湿性に優れ、寝具に適した素材のひとつです。
しかし、ウールは天然素材のため特有の臭いが多少感じられることがあります。特に湿度の高い時期には臭いが強調されることがありますが、干したり、ご使用いただくうちに徐々にやわらいできます。
また、ウールは害虫が好む素材のひとつでもあり、ヒメカツオブシムシや、イガと呼ばれるガの幼虫などに食べられやすい素材です。これらの虫は、人体への直接的な影響はありませんが、湿気を含んだウールは害虫の影響をより受けてしまいます。また、ダニやカビの増殖を促進させてしまうので、ウール製品はときどき天日干しを行い、湿気を取り除くことが大切です。保管も湿気が少ない場所をお選びください。
 
【絹(シルク)素材】
シルクは、蚕の繭を原料としたもので、この繭をわた状に引き伸ばしたものが真綿(まわた)です。
絹織物や真綿には優れた保温性や吸放湿性がありますが、天然素材ならではの独特な臭いが感じられることがあります。特に温度や湿度が高いほど、臭いは強調されるため、臭いが気になる場合は、風通しのよい日陰に干すことをおすすめします。
ただし、シルクはたんぱく質でできているため、紫外線により変色しやすいので、直射日光は避けてください。
また、ヒメカツオブシムシやイガなどの繊維害虫に食害されやすいので、保管の際は防虫剤を使用し、時々は日陰干しを行い、風通しすることをおすすめします。これらの虫は、人体への直接的な影響はありませんが、使用中の汚れがついたまま収納すると、より食害されやすくなるため、収納前にクリーニングすることも、寝具を長持ちさせるためには大切です。
 
【そば殻】
まくらの中材として使用されることもあるそば殻は、蕎麦の実(これを製粉するとそば粉になる)を取った殻のことで、西川のそば殻は、高温の蒸気と、皮膚に対する安全性が高い薬剤により殺虫殺菌しています。
しかし、この効果は永久的なものではありませんので、そばの臭いに虫が寄ってくることもあります。
身近によく見かける虫として、チャタテムシなどが挙げられますが、これらは、食品害虫としても有名で、穀粉類や菓子類などを食害し、カビを餌として繁殖することもありますが、人体への直接的な影響はありません。
押し入れやクローゼットなどでの保管中にこれらの虫が寄ってきてしまうこともありますので、まくらは定期的に天日干しを行い、収納場所も風通しをよくしてカビの発生を防ぐことが大切です。
 
天然素材は、湿気をよく吸収し、ムレ感が少なく快適にお使いいただけますが、湿気を含んだまま長期間放置されると、様々なトラブルにつながる可能性があります。
寝具を気持ちよく、長くご使用いただくためにも、こまめに干していただくなどの「メンテナンス」をよろしくお願い致します。
 
※各商品の詳しい取り扱い方法については、品質表示などにも記載していますので、一度ご確認をお願いします。

このページに掲載されている情報は、発表日現在の情報であり、予告なく変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
本記事に関するお問い合わせ
西川 

(受付時間:平日10:00~17:00)

最近見た商品