西川チェーンって
どんな店?

姿勢への意識からお客様の不調の原因を見極める
『宮崎ふとん店』 店長インタビュー編

前回に引き続き、明治8年より地域の方々の眠りを支えてきた『宮崎ふとん店』をご紹介します。
後編では、姿勢教育指導士の資格を持つ店長にインタビューを行いました。姿勢と眠りの関係性など、こちらでしか聞けない話が満載です。
前編のお店紹介編はこちらから

肩こり・首こり・更年期・・・・・・すべて寝具選びが大切

まず、お店の歴史についてお聞かせください。

店長宮崎家の歴史自体がとても長くて、1000年以上続く家系です。ふとん店としては私で5代目ですが、宮崎家としては45代目。明治維新までは春長坊という宿坊をしていました。先祖は幕末に新政府軍の駿州赤心隊の一員として参加しましたが、明治維新後は生活の手段としてさまざまな職に挑戦したそうです。明治8年に製綿の時代になってからは製綿業に。昔は製綿工場も現在の店舗の裏にあったそうです。その後、羽毛ふとんの時代を迎えふとん屋になり、今年で創業144年になります。現在は枕やマットレス等の健康寝具を中心に販売しています。

どのようなお客様が来店されますか?

店長年代的には40代から60代の方が多いです。最近は、WEBサイトをご覧になった上で来店される方が多く、富士宮市だけでなく浜松など遠方からのお客様も増えています。WEBサイトやブログで私の顔が出ているので、安心していらっしゃってくださっているようです。数年前、地元のテレビ番組に取り上げられた効果も大きかったですが、お客様の口コミによって来店されるケースも多いです。やはり、知人からの紹介は何よりも説得力があるのだなと実感しました。
肩こりや首こりのお悩みのほか、女性は更年期のお悩みも多いですね。更年期の方は、火照りによって寝汗をかいたり、自律神経の乱れから体の不調要素が気になったりすることも多いため、寝具選びがとても大切だとお伝えします。

印象的なお客様のエピソードを教えてください。

店長70代のお客様が、老人福祉施設に入っているお母さまのために軽くて暖かい羽毛ふとんがほしいとご来店いただきました。高齢の方は体温調節が難しいことも多く、また、良い睡眠を実現するためには、掛け布団自体の重さも重要です。お客様の視点に立ってヒアリングを重ね、世界一のアイダー羽毛ふとんをご購入いただきました。そして老人ホームへ納品に伺い、お母さまに感想を聞いたところ本当に喜んでくださっていて。そのお客様の嬉しそうな顔は忘れられませんね。「お金では手に入らない喜び」を感じた瞬間でした。
お客様の生の声を聴けるのが一番の醍醐味だと思います。そのため、メンテナンス会などでお客様に購入したふとんの感想を伺うのですが、「今まで寝付きが悪くて悩んでいたけど、眠れるようになった」とか、「朝起きたら腰痛が楽になっていた」など、喜びの声を多くいただくのが本当にうれしいですね。

眠りと姿勢の関係性を探求するため、
本格的なカイロプラクティックを学ぶ

姿勢教育指導士の資格を取得された経緯について教えて下さい。

店長来店されるお客様を見ていると、姿勢が悪い方が多いことに気付きました。例えば、肩こりや腰痛で悩んでいる方は高確率で猫背です。それ以外にも、「何か分からないけど調子が悪い」と言っていらっしゃる方は顔色から暗いですが、姿勢が良い人は何故か明るいです。姿勢が良いと肩こりになりにくいことから眠りとの関係性について考え、5年くらい前から姿勢の勉強を始めました。
カイロプラクティックの本格的な姿勢教室に通っていると、ふとん屋の生徒は私くらいで随分驚かれましたけど(笑)。しかし、そこで体の仕組みについて学んだことで、単純にお布団を売るだけではなく、姿勢からお客様を分析するようになりました。例えば、入店されたときが最も気が抜けている瞬間です。その時点の歩き方や姿勢を見るだけで本当に多くのことが分かるんですよ。

眠りと姿勢の関係性について教えてください。

店長不調を感じ、「自分は病気なんじゃないか」と思って病院へ行っても、「異常なし」と診断されて、頭痛がするから痛み止めの薬を飲んでいるというお客様がよく来られるのですが、この場合、寝具の見直しが必要なことも多いです。寝具が合っていないから、変なところに力が入り体は疲れてしまう。だから、枕とマットレスを自分に合わせた良い姿勢で寝ると、骨と筋肉にかかっていた負担が軽くなり楽になりますね。注意したいのは、良い寝具で眠ったとしても姿勢が治るわけではなく、昼間の生活スタイルは何も変わりません。自分で「今、姿勢悪いな」と意識したときから変わるはずなので、寝具だけでなく歩くときの姿勢についてもアドバイスするように心がけています。
基本的には、立っている姿勢がそのまま横になった姿勢が、一番理想の寝姿勢といわれています。しかし、立っている姿勢は一人ひとり異なっていて、猫背でもいくつかタイプがあるくらいです。それによって、枕の高さも変わってきます。ですので、まずは立った姿勢を見てその方のタイプを見極めてから、ベッドに横になっていただくのですが、横になるときの動作も重要な見極めポイントです。「仰向けになって寝てみてください」と言ったときに、膝を立ててから足を延ばす方もいるんですよね。しかしその際、膝を立てるというのは腰をかばっている証拠でもあります。お客様は自分が痛い部分にしか目を向けていないことが多く、肩こりで悩んでいても、実は腰に原因がある場合も。身体の声というのは痛みとして出てくるので、そこから不調の理由を一緒に見つけ、考えてあげる。身体は正直なので、その声に耳を傾けずに痛み止めだけを飲んでも意味がありません。

キャッチフレーズは“明るく楽しく元気よく”

お店のサービスについて教えてください。

店長メンテナンス会を定期的に開催しています。当店にお持ちいただければ、業務用の「水フィルター掃除機」をあてて汚れを落とします。汚れた水が真っ黒になって出てくるので気持ちいいですよ(笑)。
あとはマットレスも長年使っていると、お尻の部分がへこんでくるので、「ローテーション」といって頭とお尻のウレタンを交換してバランスよく使えるように調整します。
また、オーダーメイド枕もつくったら終わりではなく、自分の姿勢に枕を合わせていく必要があります。猫背の方で高い枕をつくった方でも、数年経って痩せてきたりすると枕の高さを下げていくことで、自分の体にフィットさせていく。「最近枕がなくても、仰向けが楽なんです」と言っていただけるのが、一番うれしいですね。仰向けで、昼間も骨と筋肉の負担が軽減されているはずです。今の姿勢レベルが枕で分かるので、できればお客様には2年から3年に一度は何にもなくても姿勢チェックも兼ねてご来店いただきたいですね。

定期的にギャッベ展を開催している理由は?

店長純粋に私がギャッベに魅了されているからです。私は天然素材が大好きで、店内の商品もできる限り天然素材にこだわっていて、例えばクッションにしても、化繊のものは夏場、お尻が蒸れますが、これはウールで吸湿性があるため蒸れることがありません。絨毯タイプだと、裸足でこの上を歩くだけで本当に気持ちいいんですよ! 夏はひんやり感じて、冬はあったかく感じる不思議な素材です。
また、ギャッベはイランの遊牧民の人たちが手織りで作った絨毯なので、同じものが世界に一つもないのです。柄にはすべて、健康長寿や子孫繁栄など願いが込められています。ご縁を感じたものを買わないと二度と出会えない可能性が高いので、皆さん真剣な表情で選んでいらっしゃいますね。会期中は特価で提供しているので、かなりお得なのも好評です。

今後の展望についてお聞かせください。

店長最近、お客様とお話していて気付いたのですが、シニア世代の方は骨折されてから寝たきりになってしまうケースが多いんです。特に股関節を骨折すると歩けなくなってしまうので、家で転倒するのが一番怖いことだと。それで、たまたま、介護の人と話したりしたときに、シニア層に最適な靴があるということで仕入れを始めました。「あゆみ」というつまづきにくい介護シューズで、つま先が少し上がっているんです。靴底もクッション性があるので、歩きやすい。“明るく楽しく元気よく”が当店のキャッチフレーズですが、70歳、80歳になっても毎日明るく楽しく元気よく生活できるのが一番うれしいですからね。ご縁をいただいたお客様のお役に立てればと思っています。一見、寝具に関係なさそうですが、実はすべてがつながってきていて、姿勢を勉強していたら今度は靴に辿り着きました。やはり自分に合った靴を履かないと、姿勢も崩れていくのです。寝るときだけでなく、日中もちゃんとサポートできるよう将来的には福祉用具の充実化も目指していきたいです。
このように、姿勢という軸はブレずに、徐々に布団以外の分野にも広げていきたいなと思います。お店で姿勢教室を開いたりできれば面白いですね、少しでも自分の姿勢に興味を持つ機会になれば。やはり、身体の力みがなくなると、表情も笑顔になりますから。来店したときはどんよりしていても、帰るときは笑顔で帰っていただけるように、接客も常に明るく楽しく元気よく!

宮崎ふとん店

  • 住所 〒418-0067
    静岡県富士宮市宮町12-22
  • 電話番号 0544-26-3262
  • 営業時間 9:30~18:00
    水曜日定休日

詳細はこちら

あなたへのおすすめ記事

あなたの街にも
眠りを支えるプロがいる

近所の
西川チェーンの店を探す

近くのお店を探す